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無性に泣きたくなった、ただそれだけ。 [自作の詩]


向けられる笑みも
撫でるような優しさも
大勢に与えているものと全く同じ

宥める声も
蕩けるような視線も
私のものではありません

まだ誰のものにもなっていない はずだけど
私も誰のものでもない けれど
糸と糸は離れたまま 結ばれることなく

何も頑張ってこなかった
挑戦することを恐れていた
踏み出すことが怖かった
そんなわたし

どんどん進んでいく
諦めずに関わりあっていく
弱さをさらけ出すことも厭わずに
大勢に囲まれて笑うあなた

そんなあなたのところまで
飛んでいけるでしょうか
飛ぶまではいかなくても
歩いていけるでしょうか
歩いていけないのなら
這っていけるでしょうか

そんなことをぐるぐる考えていたら
頑張ってねと優しい一言

突き放せばいいのに
どうせなら決定的に違う場所まで
突き落とせばいいのに
気持ちを知らないあなたに
思わず心で八つ当たり

そうしてから
わたしとあなたの立っている場所が
こうも違うものかと
本当に痛く感じました

だから ああ お願いです
私の涙を見て そんなにうろたえないでください
あなたが困るほどのものじゃないのです
あなたのそんな顔を見るたびに
どんどん涙が零れてく
理由なんてものはどうでもいいのです

ただただ あなたがいるから
こんなにも悲しく愛しい
それだけなのです

 

お題提供 哀婉

 


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